第6回


島々日記:1998.12.25

サンタが空からやってきた!
 「青いレモンの島」の数少ない子供たちにとっても、クリスマスは大きな関心事。どうすれば自分の願いを伝えられるのか、どんなプレゼントが届くのか、などなど。中でも、サンタがどうやって何処からくるのかは最大の関心事の一つ。あちらこちらで集まっては、「ああでもない、こうでもない、、、」と自分の空想を打ち明けあっています。12月24日の午前11時頃、福祉センター「ひまわり百年館」前の広場に、そんな子供たちが集まり、ひとしきり話が出尽くして、みんなが空を見上げ大きな溜息を付いた頃、突然、大きな歓声が上がりました。

 「アッ、、、サンタが空からやってきた!!!」と一斉に叫ぶ子供たちの指差す方を見ると、ナント、紛れもないサンタクロースがパラグライダーに乗って大空から舞おりてくるではありませんか。トナカイではなくピンクのパラグライダーに乗ってフワリ、フワリと舞降りてくるサンタに、子供たちも口をアングリ開けて、しばし、見とれていました。巧みに機体を操ってサンタがうまく着陸した瞬間、ドッと子供たちから歓声やら拍手が湧き上がりました。待ち望んでいたプレゼントを受け取る間もなく「何処からきたの?」「トナカイはどうしたの?」などなど、次ぎから次ぎへと子供たちの質問の嵐が飛び交います。、、、サンタさんには、パラグライダーを操って大空を翔ぶよりも、子供たちの質問責めの方が大変だったようですが、、、、。

 子供たちの心に素敵な夢をプレゼントしてくれた宙散歩研究会のみなさん、気象条件の悪い中、本当にお疲れ様でした。




島々日記:1998.12.10

このド迫力を楽しもう!〜進水式・デッカイ船はカッコイイ!
 「青いレモンの島」岩城では、造船業は重要な基幹産業。しかし、重厚長大産業は3Kの職場といわれるようになってから若い人が寄り付かなくなりました。「このままでは、船を造る人がいなくなってしまう」世界最高の技術を誇る造船業界から、そんな悲鳴が上がっています。そういえば、軽薄短小産業の時代に入ってから、モノを造る喜びというものが失われてしまったのではないでしょうか。みんなで力を合わせて一つのモノを造りあげていく、その船が無事、進水し、世界の海を駆けめぐるのを想像するだけで、たまらない気分になるそうです(この道数十年のベテラン造船マンの呟き)。バーチャルが主流の世の中で、額に汗して、何かを造る喜びこそ、今一度、見直されるべきことではないでしょうか。

 そんな感動に触れてみたい、あなたに、耳寄りな情報を・・・。

 島の北東端にある岩城造船株式会社では、総トン数で1万トン級の船を2ケ月毎のペースで進水させているそうです。あなたも、この感動の進水式を体験して見ませんか?礼装の美女が手にした斧を振り降ろし、支え綱を切ると、巨大な船体が音も無く静かに船台を滑り降りていきます。船首に吊るしたシャンパンとくす玉が割れ、五色のテープが華やかに舞います。こうしてまた1隻、新たな船が海の神に迎えられるのです。

 岩城造船株式会社からの情報によりますと、次の進水式は1月20日、3月18日、5月16日の予定だそうです。なお、この予定は変更になることがあるので必ず事前に確認して下さい。余聞ですが、この進水式に使われた支え綱は「安産の御守」として霊権あらたかだそうで、希望者には分けてくれるそうです。(綱の長さに限りがあるので、お早めに、、)



島々日記:1998.12.4

師走の紅葉〜異常気象の総決算?
 本当に地球が温暖化しているのではないかと思える出来事が一杯の1998年でしたが、「青いレモンの島」でも夏以降の以上渇水、秋の終わりの集中豪雨と、世間並に異常気象の追っ掛けをしてきました。その98年・異常気象の総決算か、師走を迎えて積善山が一月遅れの紅葉の真っ盛りです。「青いレモンの島」ならぬ「カラフル・レモンの島」で錦、織なす山様は、レモンの収穫などで忙しい島人の目を十分楽しませてくれます。みんながタイムマシンで過去に1か月遡って生きていると考えればそれも楽しいものですが・・・。

 小春日和の一日、積善山からボケーっと「しまなみ海道」を眺めて見るのもまた一興。



島々日記:1998.12.1

いいものメッケタ!(悩みを消す六地蔵)
 まだ新しい石彫なのですが、でも、この優しいお顔を見て下さい。この世の憂さも不景気も、軽い悩みも深刻なのも、みんなみんな忘れて、ホット一息・・・。そんな気持ちにさせてくれる六地蔵さんを見つけました。ひっそりとした浄光寺の境内に、明るい童女のような笑顔が六つ並んで山門の横に佇み、訪れる人を暖かく迎えてくれます。ご住職(美しい尼僧)のお話によると、この作品は「愛と微笑みの彫刻家」馬越正八さん(童女の作品が多い)のものだそうです。

 六地蔵は、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間界、天上界の六つの世界を輪廻転生するものが十戒への帰衣を促すよう、それぞれの世界の辻に立ち、優しい笑顔で救いの道を差し示すのだそうです。難しい説法は別にして、ただ眺めているだけでホッとするお地蔵さんです。何故か、島の人たちにも、まだあまり知られていないのですが、時間のある方は、ぜひ、立寄ってみて下さい。

※この六地蔵さんのある境内の西隅の畑に、小さな石仏がさりげなく置かれています。この石仏も馬越正八さんの初期の頃の作品だそうですが、その気品の高い美しさは、観る人を虜にしてしまいそうです。



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