第5回


島々日記:1998.11.24

島の自然食品郷土料理・イギス豆腐の作り方
 長寿の秘訣として海藻が見直されています。現代食に不足している繊維質やミネラルなどの微量要素を豊富に含む海藻は、健康増進にもってこいの食品です。もちろん、低カロリーで少々食べ過ぎても心配いりません。

 そんな海藻食メニューの中から郷土料理として古くから伝えられている「イギス豆腐」の作り方を紹介します。

材料(5人分)
乾燥イギス 25g   生大豆粉  50g  酢      7cc
醤油    60cc  砂糖    30g  化学調味料 少々
ニラ    少々    小エビ  100g  白味噌   40g
砂糖    10g

作り方
1.イギスは、よく水洗いしてから水に戻しておく。
2.鍋に1の水と生大豆粉を入れ、粉玉が残らないようによく溶いて火にかける。
3.水に戻したイギスをよくしぼって加え火にかける。
4.煮立ったら弱火にし、鍋底に焦げつかないように混ぜながらイギスの形がなくなるまで煮る。
5.火を止めて調味料とニラ、エビを入れて味付けする。
6.型に流し入れて、あら熱がとれたら冷蔵庫へ入れて冷し固める。
7.適当な大きさの短冊に切り器に盛り、飾りに木の芽をあしらう。
8.酢味噌を作って添える。(好みにより生姜醤油でも可)
 イギスは、夏の終わり頃、磯場の潮間帯にいって採ります。その頃になると、海も夏場の喧騒が消え、何処となく秋の寂しさが漂う雰囲気です。イギスの中にはハオコゼという赤い小さな魚がいて、知らずに掴んでしまうと背中や頬の棘で刺されて、激痛に泣くこともあります。イギスが天日で干し上がる頃と、味噌を仕込むときが丁度重なります。味噌の大豆を炊いたあとの煮汁でイギス豆腐を作るのが島の風物詩となっていました。海と山の幸をうまく組み合わせ、余ったものを有効利用する生活の知恵だったのでしょう。



島々日記:1998.11.5

(タコの独り言:城ノ鼻)
ナンダナンダ、コリァー!!棲み家の近代化??

 いつの頃からか、瀬戸内海の海砂がドンドンのおーなって、イカナゴさんたちの棲み家(海底の砂の中に潜る習性がある)ものおーなってしもうた。イカナゴがおらんよーになると、それを主食にしょったマダイやスナメリクジラなどはもちろん、その他、多くの海の生物たちも餌不足や生態系の変化でだんだん棲めんようになったがー。頼むけん、もうこれ以上、海砂を採らんでくれー・・・・・。

 そんなボヤキをゆうとったら、何か知らんけど、こがーな変なもんを造って海の中に入れだしたでー。いろいろ聞いて見たら、なんでも新しい形の魚の保育所じゃそうな。赤穂根島の初浜の沖に500m×200mぐらいの広さになるらしいでー。孵化した稚魚が藻場で育った後、一人前になるまでここで暮らすらしいでー。ほんまに、魚の保育所になるんかいのおー。

 なんでも、ビデオで撮影したら海藻がぎょうさん着いて、小さな餌になる生き物やいろんな魚がおったらしいでー。魚の棲み家の近代化みたいなもんじゃのおー。じゃが、周りの環境には影響はないんじゃろかー。50m間隔に1個所しかないけん魚が泳ぐ邪魔にはならんみたいでー、うまそうな餌もえっとおるみたいじゃし。肝心の棲み心地はどうなんじゃろのおー。ちょっと行って棲んでみようかー。(今日は何故か二人言)


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