島のうわさ話
第12回


島々日記:2001.3.28

島が揺れた....小さな島の大きな地震
 3月24日(土) 15時28分、突然、島が大きく揺れました。震度5+の芸予地震です。あの痛ましい阪神大震災もだんだんと記憶の彼方に薄れかけていた矢先の出来事でした。折りからの春の陽気に包まれて、ひねもすのたりのたりかなと午後のまどろみを貪っていた身には、かなり強烈な揺れでした。地面も電柱も大きく波打って歪 み、山肌からはもうもうと土煙が沸き立ちました。この時期、一年で一番透明度が高いはずの海も一瞬にして白く濁ってしまいました。地球にしてみればプレートのほんの少しの変化なのでしょうが、その上に暮らす私たち人間にとってはとてつもなく大きな破壊力でした。

 不幸中の幸いと考えた方が良いのでしょうが、人的被害はありませんでした。数十軒の民家から屋根瓦が落ちたのですが、人には当りませんでした。もちろん、壁などにひびが入ったり、ガラスが割れたり、食器が落ちてきたりでたくさんの被害はありました。むしろ、この程度で済んだ方が不思議なくらいです。「岩城」という名が示すとおり、地下の岩盤も固いのかもしれません。公共施設も積善山の崖が崩壊して道路が寸断された他は大きな被害は免れました。

 ライフラインも正常で日常生活には大きな支障もありません。相変わらず余震が続いておりますが、だんだんと慣れてしまいました。もっと早く、こういった情報をお届けしたかったのですが、被害調査やらに手間取っ てしまい申し訳ありません。また、今回の地震で電話が全く機能しないということを改めて再確認しました。阪神大震災の時にもそうでしたが、電話社会の弱点を垣間見たような気がします。

 それから、遅くなりましたが、たくさんの方々から地震被害へのお見舞いをいただきありがとうございました。みなさんからの暖かい励ましで、それまでの怖さもどこへやらで、元気百倍です。
 これを契機に、またみんなで頑張っていきますので、これからも応援方、よろしくお願いします。

●写真解説(上から)
・山崩れで道路が寸断された積善山(左/右)
・屋根の瓦が落ちて補修している民家(左/右)
・屋根の瓦が落ちて補修している民家(右)・島の人たちの恐怖心を和らげてくれた道端の花(左)




島々日記:2001.3.23

今は昔....の杉防風林
 花粉症でお悩みのみなさんには、ちょっとうっとうしい話題なのですが、島のミカン畑の防風林のお話です。
 今は昔、この国がまだ高度経済成長期に入る前の古き良き時代のお話です。その時分、やっと戦後の食糧難を終え、食生活もだんだんとグレードアップしておりましたので、ミカンを中心に柑橘類は作ればなんでも飛ぶように売れた時代がありました。
 島のお百姓さんたちは先を争うように我も我もとミカンを植え、ついにはミカン御殿が建つと言う人まで現れました。そんな時代でしたので、少しでも多く器量のいいミカンを作ろうということで、島の段段畑のミカンを風の被害から守る手立てとして杉で防風林を作ることが流行ったのです。もちろん、当時は花粉症などと言う社会問題は注目されておらず、みんなこぞって杉苗を植えました。成長速度の速い杉はあっという間に大きく育って、間伐や枝打ちに大変な労力がいるようになりました。中には、杉の枝打ち作業で落下すると言う不幸な事故まで起きています。

 それでも、ミカン産業の景気が好かった頃は一生懸命に防風林として手入れをしていたのですが、ミカン価格が低迷し始めると放任された杉はドンドンと大木になってしまいました。高齢化がそれに追い討ちをかけるように荒廃したミカン畑に伸び放題の杉がますますはびこる状態となってしまったのです。

 こうして今では島のあちらこちらに杉の大木が残ってしまいました。お陰で花粉症の人たちは毎年悲惨な春を迎えることとなってしまったのです。山林地帯なら仕方が無いと諦めることもできますが、こんな小さな島さえも杉の花粉で悩まされるとは、と嘆くことしきりです。(しかし、あれだけ広く高く遠くまで広がると、どこにいても同じなのでしょうね)ひょっとすると、花粉症対策には、レモンを毎日食べ続けると良いのかもしれない、と思うのですが、如何でしょうか。

●写真解説(上から)
・大木になった杉(左)・伸び過ぎて日差しを遮る杉林(右)
・きちんと刈り込みされた防風林(左)・効果を発揮している防風林(右)
・杉以外の防風林−左側・マユミ−右側・サンゴジュ(左)・杉以外の防風林−マキ−背後はキウイ(右)



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