1998.11



11月5日

 「青いレモンの島」では、これまで生果の販路拡大や加工品開発に取り組んできましたが、実際に島を訪れた人たちに提供するものがなかったので、生活改善グループを中心にレモン懐石料理の開発に到った次第です。

 懐石「レモンの里」は、21世紀型ライフスタイルと国産レモンとの素敵な関係を築くため、レモンをこれまでの添え物から主役にと発想を変えて見ました。

 この懐石料理は、レモンの香りがもつ「癒し効果」を活かしたアロマティック料理で、レモンの香りを嗅ぐと恋愛に対して元気になるという経験則からヒントを得て、果実、花、葉など、異なった香りを存分に楽しんで頂けるよう工夫しました。

 また、果汁だけでなく、そのまま食べる食材として、香り付けの素材として、容器や点景としてなど多面的に活用しました。さらに、この島でとれるヒラメ、エビ、キス、ヒジキなどの豊かな海の幸と島の野菜をふんだんに使って「青いレモンの島」を表現してみました。

 訪れた人たちが、この料理を食べて、一生、この島のことを忘れないでいてくれたらと願っています。なお、島内の飲食関係者への普及指導説明会も11月中には開催される予定です。

 以下、メニューを簡単に紹介しますと

1.レモンのゆりかご(前菜)
レモンの皮は香りのゆりかご。とれたての海と山の幸(エビとキューリ)があっさりと酒茹でと塩もみにされ、ゆりかごの中で爽やかな香りに染まります。

2.レモン寿司
レモン酢のほんのり甘く爽やかな特徴を活かしレモン果汁100%酢でつくったお寿司です。トッピングにはとれたてのエビと卵のそぼろを使い、レモンの舟で香りを熟成させます。

3.レモンのキッス(キスのマリネ)&ヒジキのレモン酢和え
瀬戸内育ちの小魚は一味違い、しまった肉質で淡泊なキスを丸ごとの空揚げにし、レモン風味の調味酢に優しく包み、骨まで食べるバランス栄養。島のヒジキは細くて柔らかく、加熱した後レモン酢をたっぷりとふり、磯の香りを優しく包みました。鮮度の良い海の幸とレモンの風味が実に良くマッチして独特のリラックス感で食欲を増幅させます。

4.トンだレモン(レモンの肉巻)
レモンは果汁だけというイメージを一掃したメニューでスライスしたレモンと湯通しした豚しゃぶ肉を巻いて中華タレで頂きます。レモンの酸味と香りで、とても豚肉とは思えない軽ーく空をトンだイメージになり、子供たちにも受けています。

5.ヒラメの刺身&吸い物
島で天然物以上の品質に養殖されたヒラメの刺身をレモン醤油で爽やかに頂きます。あしらいのレモンの葉の香りがヒラメの甘い肉質を一層引き立てます。吸い物は切り身をクズ粉で包み湯通しして旨みを閉じ込めました。レモン果皮の吸い口で清涼感も楽しめます。

6.初恋の味(レモンゼリー)
島でとれる天草の寒天ゼリーにレモン果汁を加え果実スライスと花弁を浮かべ、瀬戸内海に浮かぶ「青いレモンの島」をイメージさせます。

7.初恋の香り(レモンの花入り紅茶)
薄いピンクのレモンの花びらは甘く切ない香りでフェロモンを密かに増幅させるのか、アロマ効果抜群です。熱い紅茶の中にレモンの蕾が花開く様は、まさに一編のドラマです。


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