第9回


島々日記:1999.6.7

あれは何だ!〜いわぎ近海にイルカあらわれる
 5月31日の月曜日午前8時頃、いわぎ漁港の南、数百メートルの沖合いにイルカが数頭の群れで 1時間ほど遊んでいるのが見られました。初めに見た人は、黒っぽい鰭が海面に突き出しているのを見て思わず鮫ジョウズの出現かと見守っていたら、ゆっくりと円を描きながら餌の小魚を追いかけて浮いたり沈んだり、時にはジャンプまでして姿を見せるサービスまでしてくれました。
 黒っぽい体と尖った鰭の形や腹部の白さなどからカマイルカではないかと思うのですが…。
 防波堤からビデオでこのイルカたちを撮影したケーキ作りの達人、前田正剛さんの話では本当にゆったりと泳いでいたので「しまなみ海道」を見学にでも来たのかと思ったそうです。
(写真提供:前田正剛さん)


島々日記:1999.5.10

目に青葉、山ほととぎす、初鰹
 我らが積善山も無事、桜の季節を終え、次なる新緑シーズンに入りました。5月1日の「しまなみ海道」開通で、ルート上の島々は慌ただしさがピークを迎えていますが、取り残された島は航路の減便などで一層の悲哀の憂き目を受けて、ひとり悄然と言ったところです。
 しかし、遠い将来「この方が良かったね」と言えるような日が来ることを密かに念じつつ、今日も、ごまめの歯軋りで積善山山頂から一望出来る「しまなみ海道」を眺めているのです。
(それにしても、この展望台は「しまなみ海道」を眺めるために造ったようなもんんですね!)
 犬が歩けば棒に当るだけですが、人が積善山の森を歩くと、なにか良いことが一杯あるようです。ちょっと遅目になりましたが、フキ、ワラビ、タラの芽、タケノコなどの山菜採りはもちろん、遅咲のボタン桜から可憐な山野草、清楚な山ツツジ等々、百花繚乱の夢世界、張り巡らされた遊歩道はフィトンチット一杯の森林浴で心の奥までリラックス出来ます。歩き疲れて少し休んでいると目の前をキジの家族が横切ります。見上げる小枝には小鳥たちが我世の春のさえずりを聞かせてくれます。
 命の輝きがいたるところに溢れて、おもわず、手の平を太陽にかざしてみると、やっぱり僕の血潮が真っ赤に流れていました。
(連休は、交通渋滞で大騒ぎをする行楽地を尻目に積善山で命の洗濯でもしようかな、と思う今日此の頃です。)




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