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- 第1回 -

 この試みは、「青いレモンの島」を舞台に誰でも自由に参加できる体験交流の場です。レモン農家での体験を深めつつ、食と農と地域社会の交流と新たなネットワークづくりに取り組みます。また、しまなみ大学の一環としても位置付けられており、昨年の無人島体験・アウトドア学部に続くものです。
 岩城島では、特産の「青いレモン」にスポットを当て、消費者と生産者のつながりを深め、消費拡大と島のイメージアップをねらった体験学習を企画しました。
 それは、レモン生産農家の皆さんが講師となって、レモンの栽培法から料理まで、まるごと体験できる年2回の講座です。対象者は小学校4・5年生の児童で、定員は30名。今回は、参画した12軒の農家のうち9軒がそれぞれ独自のメニューを組み、数名ずつホームステイを受け入れる方法で開かれました。



始めまして

レモン農家も少し緊張
 5月27日午前10時、28名の子供たちは尾道市の北部・原田町からやってきました。小さなフェリーから小さな島に上陸した子供たちは、なんとなく不安そうで、長江港の待会所前で行われた農家との対面式も、どことなく緊張感が漂っており、それぞれの農家に分散していくときには不安がピークに達したのか泣きべそぎみの顔もありました。受け入れる側のレモン農家もそんな雰囲気を察してか、少しとまどいぎみのスタートとなりました。


おばあちゃんの話は優しい

れもんの加工場も見たよ

レモン畑でのオニギリは格別

果汁も絞ったよ
 しかし、そこはやはり子供、順応するのも早く農家の雰囲気にあっと言う間に溶け込んでしまいました。「ふうん、これがレモンの樹なのかー、えっ、こんなかわいい花なの、どうしてレモンだけがピンクの花なの・・・」こんな調子で次から次へと好奇心が膨らんできます。
 さっそくレモンの樹の下でレモンの花を浮かべた紅茶をいただいたりで、すっかりリラックスしていました。これもやっぱりレモン効果なのでしょうか。
 農家の方でもそれぞれに嗜好を凝らした体験プログラムを組んでおり、果汁のビン詰めやジャンボレモンの収穫、海岸でのニイナ拾いや積善山からのしまなみ展望、加工場の見学やら無人島赤穂根島の体験等々、はては臼を持ち出して餅つきまでするところもありました。しかし、レモン畑での草抜きはかなりこたえたようで、どの子供も「もういやだ・・・」という顔をしていました。いつの時代も草抜きは大変なのですね。(中には図鑑と照らし合わせながら雑草鑑定を楽しんでいる子もいましたが・・・)



夕食はレモンづくし

レモン摘みもしたよ

ニイナとりは大人気

餅つきもやったよ
 初日は生憎の雨天でしたが、2日目はからりと晴れて良い天気。(風は少しきつかったけれど)子供たちの目もますますキラキラと輝いてきました。それに引きつられるかのように農家のお爺ちゃん、お婆ちゃん、お父さん、お母さん、もちろん、子供さんもみんなキラキラ輝いていました。
 こうして「レモン体験学習」一泊二日の日程は、アッという間に過ぎて行きました。それぞれの農家に送られて長江港に集まってきた子供たちも、目標にしていた「親戚の孫が増えたつもり」の雰囲気にかなり近くなってきたようで、本当に打ち解けていました。思い思いに記念の品々をぶら下げて仲間の顔を見てほっと一息、すぐさま情報交換です。
 みんなが勢ぞろいしたところで、いよいよお別れの挨拶です。さっきまでワイワイ、ガヤガヤにぎやかにしていた子供たちが、急にシャンとして、せいいっぱいのお礼の言葉を声高らかにのべました。


みんなでピース
 みんなで記念撮影を終えるともうフェリーの乗船時間です。農家の人たちが「また来いよ」と手を振ると「夏には、遊びに来るけーね」と子供たち。船は出て行く、名残は尽きぬ、あとに残るは波ばかり・・・。
 こんなに短期間のお付き合いなのに、どうしてこんなに打ち解けあえることができたのか、本当に不思議ですが、これも農業のもつ深い魅力のなせる技なのかもしれませんね。

 お天気のいたずらで、夕日と星空ウォッチングはできなかったけれど、アッという間に駆け抜けていった「青いレモンの島・体験学習」でした。


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