赤い光

 冬の日の日没後、岩城村での撮影を終え帰ろうと海岸線を港に向けて車を走らせていたとき、薄暗い海に赤い光が見えた。それは、御床礁の灯台の光である。冷たい空と海にぽつんとたたずむ灯台は寂しげであるが、黙々と仕事をこなす姿は無口な職人のようであった。