係留された船

 島を回るうちに港が見えてきた。地図で確認すると、岩城島の北端の小漕港であった。その港の端に二艘の船が係留されていた。私は少し疲れたのでここで休むことにした。船は、生口島を背景にさざ波にゆられ、そよ風にふかれ、そして、やわらかな日差しを浴びていた。私が岩城島を好きなのは、こんな時間があるからかもしれない。